小説家・松本薫が、幕末の動乱期から鳥取県が島根県に併合された歴史、さらに、この時代に活躍した大庄屋・武信佐五右衛門と武信潤太郎、薩摩の英雄・西郷隆盛などを登場させながら、教育狂人と呼ばれた太蔵の苦難と感動の人間ドラマを描く。
太蔵の高い志は、今も在校生や卒業生、地域の人々の心に連綿と伝えられている。少子高齢化と人口減少のなかで悩み苦しむ、鳥取県をはじめとする地方の人々に、この物語は地方創生に向かう勇気と希望を与えるものになるだろう。
郷土の未来を切り拓く理想を燃やし、私財を投げ打って学舎を起こした豊田太蔵翁。国が栄える根本は教育にあると説き、唱え続けた「克己」の校訓は今日なお受け継がれている。人づくりへの並々ならぬ情熱。教育狂人と慕われた傑物。地方創生と人づくりに挑む山陰を生きる私たちの胸に、太蔵の生き様は重く響く。
書名:ばんとう ─山陰初の私立中学校をつくった男─
著者:松本 薫
挿絵:蔵りすと 森井裕子
発行:鳥取県立鳥取中央育英高等学校同窓会
発売:今井出版
定価:1,500円+税
ISBN:978-4-86611-080-6
2017.09.07.thu.
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