“出羽様ご滅亡” ─江戸では1両も1朱も借りられず、国元では餓死者が続出。そこへ6代藩主宗衍、家老朝日丹波、7代藩主治郷が登場して壮絶な闘いを繰り広げ、やがて松江藩は日本一豊かな藩になった。過去誰ひとり書かなかった松江藩栄光の歴史がここにある。
…著者の山口さんはこのような松江藩史上のエポックを取り上げ、血の通った人間を描いた。たとえば、幼児期の治郷は、当時の史料によれば、「善くゆけば妙々、悪しくゆけば大変」だったという。これが具体的にどんな行為をする子どもなのか、これまで誰一人説明した者はいない。著者は、書道や学問の師に対し、硯を投げつける、棒で頭を叩くなどの腕白ぶりだったとしている。そんな治郷の少年期、成年期、壮年期に及ぶ六十八年の人生を見事に描いている。…
―巻頭言(松江歴史館館長 藤岡大拙氏)より―
書名:律儀者と不昧さん
著者・発行:山口信夫
定価:1,700円+税
ISBN:978-4-86611-116-2
2018.05.25.Fri.
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